旅MUSEの本を出版するまで〜後編〜

前回公開した記事の『旅MUSEの本を出版するまで〜前編〜』がおかげさまで過去最高のアクセスを記録。ありがとうございます。後編は、本を出版するまでの過程について書こうと思っていたのですが、全然収まりきれなさそうなので、『本を出しましょう!』と出版社と契約書を締結するまでの過程やポイントについて具体的に書きたいと思います。

長いです。

まず、本を出版するには『この企画なら出版していいよ!』と決定権を握っている人に許可をもらえなければ書籍化することは出来ません。

いくら、編集部の人と気が合って話が盛り上がって、『この企画絶対売れるよね!ね!!』となっても、その編集部の方が決定権を持っておらず、且つ上司にプレゼンして企画を通すことが出来なければその企画はパーなのです。(こうなることがほとんどなので落ち込むことはありませんが)

これは出版に限らず、日々の営業活動も同じ。私の営業スタイルは極力、決定権を持っている方に直接プレゼンできる『トップダウン営業』の機会をいただけるようお願いするようにしていますが、それは自分の考えや思いを自分の言葉で直接伝えたいから。(このような環境をいただくには、もちろん日々やり取りをさせていただいている担当の方との信頼関係あってのこと)

というのも、言葉はとても難しく、今ここで友人と爆笑した話を家に帰って彼氏に話したら全然ウケないのと同じで、どれだけ編集部の方とお互いの考えを擦り合わせて合意し『これはいける!』と思っても、それを一旦会社に持ち帰って上司に伝えてもらうとなると、それは全く異なる能力が必要となり、言葉が変換され、玉砕することもしばしば。(営業やっている方はあるあるですよね笑)

ということで、私は本の企画を考えた時点で、担当者の方が決定権を持った上司を説得する材料を言葉や感覚ではなく出来るだけ『視覚』で伝えられるよう下記項目も一緒に提出しました。

<提出項目>

・表紙のデザイン

・タイトル案と全体コンセプト

・目次案

・本に出演してくださるキャスティング案

・出版前後で露出できる想定リーチ数

<当時の表紙イメージ>

 

<当時の内容のイメージ>

これを、全ページに及ぶ130ページ分作りました。

本の内容はもちろん、この本を通じて手に取っていただいた方々に『どのように感じていただきたいか』まで伝わるような内容を。

且つ、現実的な話ですが一番重要なポイント『この本が消費者の方々の手に取ってもらえる(売れる)イメージ』もしっかり伝えられ、そのために旅MUSEで出来ること(旅MUSE内での露出やInstagramでの告知)も併せて資料に盛り込みました。

ここまでやって初めて、『旅MUSEってちゃんとメディアやってるし、本もオシャレそうだし、素敵なメンバーが出てくれそう』ということがなんとなーく伝わって、『やってみましょう!』(=契約書を締結しましょう)となったわけです。

旅MUSEとしても本を出版するということは大きなチャンス。

『本を出版して印税で儲けよう』なんて一切考えておりません!

とにかく旅MUSEの世界観で、日頃一緒にメディアを作ってくださっているミューズたちと一緒に形あるものを作り上げたい。そして何より、旅の魅力を伝えたい。という気持ちで挑みました。

契約書を締結してからは、もう前に進むしかありません。プロである編集部の方々の意見を伺いながら、とはいえ、自分たちの作りたい世界観を伝えながら。ここで衝突することもしばしばというか多々あり、のちに編集長に『随分こだわって作っていただいたみたいですね』と優しく言っていただきましたが、約半年間同じ目標に向かって同じ志を持って進めていく過程は、どれだけハードでも決して他では味わえないかけがえのない時間だったと振り返ります。

ということで長くなりましたが、まとめに入らせていただくと、もしいつか本を出版したいと思っている方がいれば僭越ながら下記アドバイスをさせていただきます。

・良き編集者(出版社)に出会うこと、そのためにブログを書く/Instagramを更新するなど方法は様々ですが、とにかく自分という人間や世界観を発信し続ける

・どんな本を作りたいか、タイトル案、本の構成(目次)、どんなターゲットに向けてどんなメッセージを送りたいかの仮説を持っておく

・その本を消費者に届けるために自分がどのようなことが出来るかを明確にしておく

・『いつか本を出したい』ということをとにかく言いまくる

 

<出版社に出会えたら>

・担当の方が上司を納得出来る企画書を作る

・出版後、どこの本屋さんで販売してもらえるか。出版社の強みを知る

→ここは結構重要で、例えば大手出版社でも“ファッションに強い”、“旅に強い”、“ノンフィクションに強い”など特性あり、出版したい本の属性によってこちらが出版社は選ばなければいけない

・出版社を信用しある程度任せるが、譲れないポイントは明確に

 

という感じでしょうか。こんなことをワインを飲みながら思考が停止しつつある金曜の夜中に書き上げてみました。

絶対こんなの誰の参考にもならないよーと思いながらも、一人くらいは伝わってくれることを期待して。

 

野々村

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